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ビルメンテナンス業者から見るアフターコロナの施設清掃

新型コロナウイルスの感染拡大で、施設清掃への関心が大きく高まりました。利用者・オーナー・ビルメンテナンス業者、それぞれの視点で変化があったように感じます。

今回は、「生活インフラ業種への緊急支援」にお申込みいただいたビルメンテナンス業者、ダイビ株式会社の社長・山中氏に、コロナによって清掃業界にどのような変化があったのかを伺いました。

前回の事例に引き続き、リモート取材で実施しました!

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会社概要
ダイビ株式会社
1960年創業のビルメンテナンス会社。建物の総合管理から特技スタッフの派遣、施設警備まで幅広く業務を行っている。
ダイビ株式会社Webサイト:https://www.daiby.jp/

お話を伺った方
ダイビ株式会社 代表取締役社長
山中 智雄

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販売開始当初からWhizを知っていた

――Whizは、どのような経緯で知ったのでしょうか?

山中氏
販売当初からプレスリリースで知っていました。昔他社製を使用していたので、ロボット掃除機の動向には注目していたんです。ただ、当時はコストの面から見合わせました。導入したからといって、人をすぐに減らせるわけではないので、コスト面でのハードルが高かったんです。

――今回、緊急支援にお申込みされたのはコスト面が理由でしょうか?

山中氏
そうですね、無償提供であるということも理由の1つです。

もう1つの理由としては、先細りしていく限界が見えていたからですね。北海道の上川地方は過疎化が進み、クリーンクルーまたは清掃スタッフは減る一方ですので限界が来ることは予想していました。

ロボット掃除機の導入を本格的に検討しなくてはいけないと思っていた頃にWhizのサブスクでの契約形態が始まり、今回の無償提供で導入に踏み切りました。

性能の検証はしっかり行った

――Whizの魅力だと感じている部分はどういったところでしょうか?

山中氏
特にティーチングというやり方が良いと思っています。以前使っていた他社製のロボット掃除機は、図面を読み込ませたうえでルートをプログラミングさせる必要があって手間がかかっていました。今日はいつもの半分だけ清掃する、のように頻繁にルートを変えることも多いので、その手間がネックとなっていました。

また、稼働させたあとスタート地点まで戻ってこないので回収が面倒だったこともあります。その点でもWhizはホームロケーションコードの場所までちゃんと戻ってくるので良いですね。

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――実際に現場で動かしたときはいかがでしたか。

山中氏
事務所の狭い通路で動かしたり、わざと障害物を置いてどの程度反応するのか試したり、しっかり検証しました。

狭い道でもしっかり曲がりますし、曲がった先に障害物があっても、ちゃんと避けてくれました。そういった検証を重ねて、信頼できる性能だと確信しました。

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――施設の方は、どのような反応だったのでしょうか。

山中氏
やはり始めは抵抗感があったのですが、実際に動かしているところを見てもらって理解を得ました。今ではむしろ担当している施設のほうから、誰もいない状況でも使えるのかどうか、問合せがあるくらいです。人感センサーをクリアして夜間でも稼働できると、もっと効率化できていいですね。

これまでとこれからの清掃業界

――業界について伺います。これまでのビルメンテナンス業界で感じていたことを教えていただけますでしょうか。

山中氏
先ほども申し上げたとおり、人は減っていく一方です。地域としてもそうですし、業界としてもそうです。

人が減っていくと作業効率が低下し、品質維持の確保が難しくなります。管理する建築物の仕様も多様化しており、今までのやり方では対応できなくなっているため、自動化(ロボット化)が急務となっています。

ロボットに加えて床面等の清掃対象建材のコーティング等の新技術を取り入れること、自動化に対応した人材を育てること。この2つを合わせてトータル的に業務の効率化を図らなければ、高い品質の提供が難しく事業の継続が危ぶまれる状況となっています。いかに少人数で成果を上げることができるかが生き残りの秘訣だと考えています。

――それでロボット掃除機に興味関心を持たれていたのですね。

山中氏
はい。人×ロボットでうまく業務を効率化する仕組みを作るのは今しかないと思っています。たしかに、ロボットを活用する検証を行う分、手間がかかって人件費も少しかさんでいますが、それは投資です。

今のうちに仕組みを作っておかないと、今後どうにもならなくなる可能性が高いことは間違いありません

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――そのような状況下で新型コロナウイルスの感染が拡大しました。どういった変化をもたらしたのでしょうか。

山中氏
将来的な行き詰まりへの危機感がさらに高まり、自動化が促進されたように感じます。

これまでもロボット導入の必要を感じていましたが、その一方まだ大丈夫だとどこか楽観視していた部分がありました

しかし今回の新型コロナウイルスのような感染症が大流行すると、真っ先に清掃業務スタッフが危険にさらされます。もともと感染リスクの高い業種ですので、自動化は清掃品質の維持であると同時に、リスクの回避策でもあるのです。

コロナの影響で、世の中全体で環境品質がこれまで以上にクローズアップされています。ビルメンテナンスの基本は環境衛生を守る仕事ですので、さらに重要性が増している認識ですね。

これまで「人がいないからできない」は禁句でしたが、耳にすることも多くなりました。業界全体としても、変化・淘汰の時期だと思っています。

目指すべき目標が高くなった

――今後の展望はいかがでしょうか。

山中氏
お客様から値上げをしたいと言ってもらえるほどの品質を目指していきたいですね。

清掃品質が注目され、求められている到達点が高くなってきています。そこに至るための1つのツールとしてのロボット掃除機です。人が入れないところでも、ロボットを使えば清掃できますからね。品質をさらに向上させる可能性を感じています。

――まさに人とロボットの協業ですね。

山中氏
そうですね、人も大切に育てていきたいです。

ロボット以外の場所を人が行い、良い仕事をして技術を上げていく。そうして人材を磨き上げていく。受け身ではなく、経営者も清掃員も一緒になって能動的にやっていく。

今まで人だけでやっていた以上の品質を実現して、それを価値として売っていきたい。そう考えています。

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ロボットを導入して終わり、ではなく、業務と連携させないと意味がありません。そのためには、人の協力が不可欠です!今後を見据えた動きを知ることができた取材でした。

著者プロフィール

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岡田 亮
ソフトバンクロボティクス プロジェクト推進本部

AI清掃ロボット「Whiz」事業開発部所属。2020年2月にソフトバンクロボティクスに参画し、現職に。前職は旅行ガイドブックの編集者として図書制作や営業企画に従事。その経歴を活かして、現在は導入事例の取材や記事制作を担当している。
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新型コロナにより施設清掃はガラリと変わり、アフターコロナ時代には全く異なるレベルで施設の清潔さが求められるのではないだろうか。世界中の施設が「清掃のニュー・ノーマル=新しい清掃標準」を模索している。「アフターコロナの施設清掃」に向け、世界の事例、専門家の科学的考察を紹介していく。