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Whizは空間も清浄にできるのか?

前回の中村先生の記事に、床面の汚れと空間の清浄度の関係についてのお話がありました。

床面には多くのカビや細菌などの細胞や生体物質が存在していることが考えられ,まさに浮遊菌の温床になっているといえます。床面を清浄にしておくことが室内空間の清浄化に繋がると考えられます。

実際、床面の汚れは、どれほど空間の清浄度に影響するのでしょうか?

舞い上がるダスト

昨年末、環境アレルゲンinfo and care 株式会社と共同で「隠れダスト」の実態調査を行なった結果…

人が掃除する時はダスト粒子(チリ、花粉、カビ、細菌、等)が舞い上がりやすい傾向。舞い上がるダスト粒子は、人による清掃とロボットによる清掃で8倍以上の差も。

という事実が判明しました。

以下は、人による清掃とロボットによる清掃のそれぞれにおいて、どれほどダスト粒子が舞い上がるのかを実験した際の写真になります。緑色の細かな点が、レーザーによって可視化された粉塵です。

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歩行時に舞い上がるダスト粒子

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人による清掃時に舞い上がるダスト粒子

歩行時だけではなく、清掃時にも、粉塵が舞い上がっています。

人の目ではなかなか見えないのですが、実際には、このように床面の汚れが空気中に舞い上がっています。床面の汚れが酷いほど、空間の清浄度に悪影響を及ぼしていると言えるでしょう。

次に、以下はAI清掃ロボット「Whiz」で清掃した際の写真です。

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Whizによる清掃時

ダスト粒子はほとんど舞い上がっていないことが分かります。ロボットならではの静かな移動が為せる業です。

HEPAフィルターはできる子です

Whizの排気口にはHEPAフィルターが搭載されており、排気も非常にクリーンです。

「HEPAフィルター」とは、「High Efficiency Particulate Air Filter(高性能微粒子フィルター)」の略で、元々はクリーンルームや原子力施設など、埃に敏感な施設で、肉眼では見えないホコリや放射性微生物を除去するために作られたものですが、現在では、家庭用の空気清浄機や掃除機にも搭載されているため、耳にしたことがある人も多いと思います。

実際にはどれほどの効果があるのでしょうか?

以下は、HEPAフィルターを搭載した大型空気清浄システムを使用した際の空間浮遊物(エアロゾル)の除去率についての論文ですが、

▼Development of a Method for Measuring Single-Pass Bioaerosol Removal Efficiencies of a Room Air Cleaner
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/027868299304804

この中で、浮遊物ごとの除去率は以下のようになると書かれています。

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いずれの浮遊物に対しても、95%以上の高い除去率を示しています。

特に注目すべきは、0.02µmと非常に小さい大腸菌ウイルスを95%以上除去できていることです。0.1-0.2µmとされているコロナウイルスやインフルエンザウイルスは、それ以上に除去できる可能性があります。

今では一般的になったHEPAフィルターですが、その名の通り、非常にHigh Efficiency(高性能)なのです。

清掃時にダスト粒子を舞い上げることがなく、吸い取った汚れはHEPAフィルターで除去するWhizは、床面だけでなく、空間も清浄にできると言えるのではないでしょうか。

著者プロフィール

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張替 賢一
ソフトバンクロボティクス プロジェクト推進本部

AI清掃ロボット「Whiz」デプロイ(導入支援)チーム責任者。2016年にソフトバンクロボティクスに参画し、Pepper、NAO、RS26のアフターサービス企画、Pepperの医療業界展開の営業企画を経て、Whizチームへ異動。全国各地50以上の施設への導入支援対応を経験し、2020年度よりデプロイチームの責任者として従事。
常に前のめりに新しいことにチャレンジする姿勢で、前職では専門コンサルティング会社の起業を経験。
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新型コロナにより施設清掃はガラリと変わり、アフターコロナ時代には全く異なるレベルで施設の清潔さが求められるのではないだろうか。世界中の施設が「清掃のニュー・ノーマル=新しい清掃標準」を模索している。「アフターコロナの施設清掃」に向け、世界の事例、専門家の科学的考察を紹介していく。